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ソメワケササクレヤモリを飼い始めた

2026年1月の終わり、近所のホームセンターで見かけたレオパード・ゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)は、ひどくやつれている様に見えた。 白色の体は小さく、ケージは渇き、シェルターのなかに引き込もり、目を瞑ったまま、周りを行き交う人の影にも一切の反応を示さない。

8,900円で売られているその子は、かわいいなりをしているものの、あまりに儚げで飼う気にはなれなかった。 以前そのショップで購入したグッピーが、3日と持たず鱗が逆立ち始めたことも、警戒するには十分の理由だったと思う。

そこで、少し足を伸ばして東京は高円寺。 爬虫類を扱う半地下のお店でヤモリやトカゲ、ヘビを眺めてみることにした。 向かった当初は、髪を切るついでに、と下見程度のつもりだった。

しかし、そこで出会ったソメワケササクレヤモリの可憐さに心打たれてしまった。 木材の下でじっとこちらを見ている金青の目、しっとりとした茶色の肌、きっぱりとした白い模様。 大きな頭をぐっと持ち上げて、こちらを見上げる顔はどこか凛々しく、それでいて愛嬌があって可愛らしい。

その場で決心し、うっかりオスとメスのカップルを購入してしまった。 カイロで温められる小さなプラカップの中で、ペーパータオルの上に不安げに立ちすくむ彼らの姿をチラチラと眺めながら、寒空の下を帰宅した。

早速近所のホームセンターで水槽を購入し、土を敷いて小さな観葉植物を植え、小さなシェルターと流木を置いて彼らをその中に放つ。 しばらくは戸惑うように二匹は水槽内をウロウロし、ガラス面に貼り付いて立ち上がろうとしている。可愛い。 薄い布をかけてそっと離れる。 夜半頃には、流木の上に二匹で重なって落ち着いたようだった。

このときは知らなかったものの、ソメワケササクレヤモリは「日本のヤモリブームの火付け役」だったらしい(※Wikipedia曰く)。 大人しく、タフで、増えやすく、そして格好良さと可愛さを兼ね備えている。 そのことに気づくのはもう少し後のことだけれど、納得できる生き物だと思う。